洗顔時に「摩擦NG」と言われることが多いですが、これは本当に科学的な根拠に基づいているのでしょうか?多くの方が「摩擦を完全に避けるべき」と考えていますが、実際には日常生活でも顔には常に摩擦が生じています。
この記事では「洗顔は摩擦NG」なのかについて考察してみます。

洗顔時の摩擦は本当に肌に悪いのか?
洗顔の摩擦が肌に与える影響については、様々な意見が飛び交っています。
「摩擦NG」とよく言われる根拠とは?
たとえば、以下のようなものがあります。
✅ 皮膚バリア機能(セラミド層)と摩擦
- 強い摩擦によって、皮膚のセラミド量が減少し、バリア機能が低下する。
これに対して納得できる点としては、
- 長時間の摩擦によって皮膚の水分が蒸発しやすくなる
- 摩擦によって微小な炎症が起き、肌荒れを引き起こす可能性がある
- 摩擦が強いと、皮膚が薄くなる
というのがありますね。確かに「強い摩擦」は肌に悪影響を与える可能性があると考えられます。
では、どの程度の摩擦から肌に悪影響が出始めるのでしょうか?色々調べたんですが、正確な出典元が出せずに申し訳ない。大体が下記のようになっていました。
- 100g以下の圧力(軽いタッチ)では皮膚にダメージがほとんど見られない
- 150g以上の圧力(ゴシゴシ洗うレベル)では角層が剥がれやすくなる
これらのデータから、「強くこする」ことで皮膚バリアが破壊される可能性はありますが、適度な圧力(50~80g)で洗えば問題ないという結論が導き出せます。
「摩擦ゼロ」は誇張されている?日常生活の実態から考える
「摩擦ゼロ」という考え方が実際の日常生活と合致しているのか、検証してみましょう。
日常生活での避けられない摩擦の実例
私たちの日常生活では、様々な場面で肌に摩擦が生じています:
- マスクの着用(頬や鼻周りに継続的な摩擦が発生)
- 枕との接触(寝返りによる摩擦)
- 髪が肌に触れる(特に前髪が額や頬に触れる)
これらの日常的な摩擦を完全に避けることは不可能であり、それでも大多数の人は深刻な肌トラブルに見舞われることなく生活しています。
これは、肌が適度な摩擦には耐性を持っていることを示唆しています。
適度な摩擦は必要?過剰な「摩擦ゼロ」の落とし穴
「摩擦ゼロ」を極端に追求することで、逆に肌トラブルを引き起こす可能性も指摘されています。例えば:
- 摩擦を完全に避けようとするあまり、汚れが十分に落ちない
- 皮脂や古い角質が残り、毛穴詰まりやニキビの原因になる
- 肌表面の不要な角質を適度に除去する効果が得られない
洗顔が不十分な場合、肌表面の常在菌バランスが崩れ、アクネ菌の優勢化により炎症性ニキビのリスクが高まるとも言われています。
“洗”顔しているのに残す?
落とさず残すとか、必要な皮脂だとか、水分まで…みたいな話があるけど、正直これだけスキンケアが充実している現代には必要のない考えだと思います。
それよりも汚れをしっかり落として、ちゃんと成分を吸収できる下地を整えて、化粧水や乳液、クリーム等で蓋をした方がいいと思いませんか?
汚れが残ったまま蓋をすると、肌の表面にずっと菌が残ったままになりますよ。
洗顔で皮脂が落ちる悪影響<<<汚れが残った悪影響
「ゴシゴシ」の基準とは?誤解を解く
「ゴシゴシ洗うな」という指導の真意は、実は「肌が赤くなるほど強くこするな」ということです。具体的には:
問題にならない摩擦
- 日常の顔への触れ方(指で触る、スキンケアでなじませる)
- 洗顔時の適切な圧力(50~80g)(顔をなでる程度)
肌に負担がかかる摩擦
- 赤くなるくらい強くこする(200g以上の圧力)
- タオルで強く拭く(特に乾いたタオル)
- スクラブ洗顔を毎日使う(刺激が強すぎる)
つまり、「普通に洗う分には大丈夫」だが、「赤くなるほどこするのは避けたほうがいい」という見解です。
正しい洗顔のポイントについて考察
本当に効果的な洗顔法について考えてみましょう。
赤くなるほど擦らない(皮膚科学の視点から)
洗顔後に肌が赤くなる場合は、過度な摩擦や圧力がかかっている証拠です。過度な圧力は皮膚表面の毛細血管拡張を引き起こし、一時的な赤みと経表皮水分損失の増加につながると言われています。
ただこの水分損失、通常だと皮脂と共に60分程度で回復するらしいです。
そのため心配しすぎず、こすりすぎずにしっかり洗って、洗顔後に化粧水などで保湿するのが大切です。
化粧品業界の「摩擦NG」マーケティングの真相
「摩擦NG」という言葉が広まった背景には、化粧品業界のマーケティング戦略も関係しているかもしれません。
なぜ「摩擦NG」が過剰に強調されるのか
化粧品メーカーの戦略として考えられるポイントには以下があります:
📌「泡立ちの良い洗顔料のほうが摩擦を防げる」というロジックで特定商品を販売
📌「摩擦レス」や「極上の泡で優しく洗う」といったマーケティングワードの乱用
📌「摩擦によるバリア機能の低下」を強調し、「バリア機能を補修する高級美容液」などをセットで販売
📌実際にバリア機能が低下するのは、赤くなるほど強くこすった場合のみ
📌「指で肌に触れないように洗うのが正解」といった極端な情報を普及
📌「正しい洗顔法には専用のアイテムが必要」と思わせる戦略
これらのマーケティング戦略によって、「摩擦NG」という概念が必要以上に強調され、消費者が過剰に心配するようになっている可能性があります。
まとめ:正しい洗顔の考え方
この結論はあくまで私の考えですが、洗顔における摩擦の影響について考察した結果:
✅「摩擦NG」は部分的に正しいが誇張されている
📌 適度な摩擦は問題なく、むしろ汚れを落とすために必要
✅ 日常生活での摩擦を考えれば、洗顔時だけ極端に避ける必要はない
📌 マスク、枕、髪など、日常的に様々な摩擦が肌に生じている
✅ 本当に重要なのは摩擦の強さよりも洗顔後のケア
📌 洗顔後の適切な保湿や紫外線対策が重要
結論として、「赤くなるほどゴシゴシ洗うのは避けたほうが良い」が、「汚れを落とさない方が問題なので適度な圧力でしっかり洗おう」というのが私の考えです。
洗顔の流れとしては、
- 肌を濡らす。温める。(あったかい程度。42℃くらいまでならOK)
- クレンジングオイルや洗顔料で顔を撫でる。
- 洗浄成分が残らないようにしっかりと流す。(シャワーOK)
- 基礎化粧水で肌を整える
ですね。過剰に「摩擦ゼロ」にこだわるよりも、しっかりと落として基礎化粧品で補う。
これが健やかな肌を保つ鍵と言えるのではないでしょうか。
以上『洗顔の摩擦NGは本当?過剰に心配する必要はないと思う理由』でした。

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