耳で聴く読書「Amazon Audible」をご存知だと思う。最近目の調子が良くないのもあって耳で読書ができたらなと、キャンペーンだったのもあって登録してみた。
しかしこのAudible、どうにも私に合わないのだ。
意識の高い人が言う「耳で読書をするようにしたらいい」という内容は当たり前だが万人には当てはまらない。
結論だけ簡単に言うと、
読書が好きな人、読書できる人には向いていない
というのが私の答え。
今回の記事が使ってみようかなと迷っているあなたの参考になれば嬉しいです。
※記事の方向性的にどうしても批判的にはなるが、サービス的には悪いものではないです。
耳で読書?Audibleを使ってみた
今更ながらAudibleを使っている。数年前に多分使用したことがあるのだがその時も無料期間で使用するのを停止した。今回もそうなりそうな気はしている。
Kindleは元々使っていて、今回Kindle Unlimitedと共に無料になっていたのでどちらも登録してみた。
結果的にAudibleはじめ耳読書、オーディオリーディングは今までの読書とは全く別物だということがわかった。

小説は悪くない。ビジネス書が合わない。
小説の方はそんなに悪くない。ナレーターとの相性とかもあるのだろうけれど、今のところ総じて「上手」なので、読み聞かせされている気持ちになる。
ただ、小説を読むとき私は男性のキャラクターは男の、女性のキャラクターには女の声をイメージしながら読むから、全てを同じナレーターの声で表現されると物語に没入できないなとは思った。
上手なんだけれども、小説を読んだ時特有の頭の中が物語でいっぱいになるという経験ができなかった。映像が浮かばない。それがちょっと勿体無いなと思った。
ビジネス書が合わない。後述するが大事なところがわからなくなるのと、飛ばし読みができないのが結構ストレスになる。
私の読み方にも問題はあると思う。目次を読んで、この章はこのくらいのボリュームで、あとこのくらいでみたいなのを把握しながらいつも読んでいる。
それが音声だとわからないのだ。ボリュームが掴めない。そしてどこが重要なのかがぼやけてしまう。
Audibleの致命的な問題点・デメリット
冒頭でも述べたが、Audibleは読書がすでにできている人には向いていないと言うのが私の結論だ。以下にAudibleに対する不満点を挙げていく。
結局のところマルチタスクになってしまう
読書で重要なのは没入感だと思っている。小説であれビジネス書であれ、内容に没頭することで頭の中が一旦本の中に入るような感覚を覚える。
小説であれば物語を、他の文化で例えるのはいささか気が引けるが、まるで映画を見ているかのような気持ちになりながら展開を追う。
ビジネス書であればその人の講演会に出たり、インタビューをしに行ったような気持ちで相手の話に集中する。それが楽しいのだと思う。
それが音声読書だとどうなるか。実はそんなに変わらない。そう、変わらないのだ。目を瞑って飲み物だけ用意して音に集中するようにする必要があるだけ。
隙間時間で簡単に読書ができる〜とはならない。あくまでも「読書」あることを忘れてはいけない。
そこは目で読書するのと変わらず、読書の時間をしっかりと確保して読書だけに集中しないと内容の理解はできない。
Audibleでは飛ばし読みができない
ビジネス書において不利なこととして、飛ばし読みができない点にある。
特に海外のビジネス書において、事例や研究内容が事細かく説明されていることがあるが、目で追っている時は「この話は結論だけでいいから流し読みでいいな」とあたりをつけることができる。
しかし、耳で読書をしていると必要ないなと思ってもその話がどこまで続くのかがわからないため飛ばすことができない。30秒進めて、30秒戻ってみたいなのを繰り返すことになる。
基本的には2倍速で聴いているのだが、どこが大事なのかがわからなくなりぼやけてしまうという問題がある。文章の太字や装飾に頼るわけではないが、あの辺に書いてあったことと戻れないのも結構不便。
そしてどうしても「聴き飛ばし」が起きる。あれ?なんて言っていたっけ?みたいな時に簡単に戻れない。また戻して、進めての作業が必要になる。
Audibleを使ってみないとわからない部分はある
耳読書をするならそれなりの準備と心構えがいる
聴き流せるからOKとなるにはある程度の慣れがいる。そして、実は耳に集中しなければいけない。何を言っているかをしっかりと聞かなければならない。
散歩や長距離移動とは相性がいいかもしれない。危険を伴わない作業とも相性はいい。洗濯物を干しながらとか、簡単な調理をしながらとか。
しかし今の私のようにブログを書きながら聞けるかというとそうはいかない。同じように集中が必要な作業をしながらは難しいと思う。運転しながら聴くのは絶対にやめてほしいなと思うほどの集中力が必要になる。
講演会や勉強会に来ていると思ってほしい。もしくはインタビューをしていると。その時にできることならいい。スライドもレジュメもない中で相手の話を聞かなければいけないのだ。
冊数は”こなせる”。しかしそれになんの意味があるのか
聞き流しているだけで話は進むので、確かに冊数はこなせる。しかし、「僕は10冊読みました」ということになんの意味があるだろうか。
見栄を張りたい人はいいかもしれないが、聞いたものが何も残らないのであれば街中の雑踏と同じである。それなら本屋での立ち読みの方が頭に残る。
耳の方が理解しやすいという場合もあると思うが、読むのであれば目であれ耳であれ集中する必要があることを忘れてはいけない。
いつも残らないなあと思う方は読書感想文を書く習慣をつけておくと、会話に本の内容を使えるようになるのでおすすめです。
まとめ:Audibleが向いている人・向いていない人
どんな人がAudibleに向いていると思うかを下記にまとめました。
もちろん「紙の本が好き」「読まないと覚えられない」みたいなのは除いています。
向いている人
向いていない人
- 作業しながら本が読めたらなと思っている人
- 普段から飛ばし読みをする人
- 重要なところにマーカーを引いたりメモを取りたい人
- 耳読書に集中するための時間を取らない人
正直、結構高いなと思う。1500円。
本2冊買うならAudibleの方がお得に聴けますよというのは確かにそうなんだけれど、そんなに気軽に行ける値段ではないと思う。
簡単に読み返せない分重要な部分が根付かないこともある。ああこういうことが書いてある本なのねと把握する分にはいいのだが、学びを得ようとする人には向いていないのではないだろうか。
おすすめとしてはAudibleで気になった本をざっと聴いてから読み返したくなったら実書に当たるという使い方だ。Kindleでも図書館でも構わない。深掘りするにはあまり向いていないとは思う。
合う合わないは使ってみないとわからない部分もあります。けれども色んな作品を定額で知れて、慣れてしまえば聞き取ることに不満は無くなるので、もし音声読書をまだ試してみていないという方は、一度登録してみてはいかがでしょうか。
私はあんまり合わないので無料期間でやめます。気になる本のあらすじを今のうちに聴いておこうと思います。
