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山ちゃんファン必読!山里亮太「天才はあきらめた」の感想文。男が読むべき理由を解説。

英雄の自伝は

最も売れている自己啓発書に優る。

by ハヤエル

今回はこちらの本の紹介。

「天才はあきらめた」を読んで。

書きたくてしょうがないから結論から書きます。

以下普通の感想文です。

男性に特に読んでほしい。

こんなに堂々と努力して、結果を出している姿は本当に胸に響く。

格好をつけること、逃げる理由を作ることを自覚するとこんなにも強くなれるのかと。

いわゆるパリピとかのヤンチャ組には響かないかもしれない。

私みたいに中途半端な立ち位置の人にはきっと響く。

中途半端な位置というのはどれくらいかと言うと、

・文句ばっか言うくせに何もせず、ノリも悪い。

・与えられたことはそれなりにこなすけど熱意がない。

こういうタイプ、それが私。正直、そんな自分が恥ずかしくなりました。

でもこの本は別にそこを責めてくるわけでもなんでもない。

「俺はこういう奴なんだよ」ってただ伝えてくる。

そして、文章を読んでいて気づかされた。知っていたけど改めて自覚せざるを得なかった。

人前で裸になれるって、やっぱすげーなって。

赤裸々から赤を取った感じ。それが本当にかっこいい。

山里さんは本当に昇華がうまい

そこは見習うべきポイントだと思う。

後世に携わった人の力ももちろんあるだろうけど、

章ごとに泣ける。うるうるしながら読んだ。自伝なのにこんなドラマが起こるのかと。

そして相方しずちゃんとの最後のM-1オードリー若林正恭による解説

山里亮太を知っていれば知っているほどに泣ける。

そんな一冊でした。

山ちゃんにありがとうと伝えたい。

いつか客と芸人という関係じゃなく会って、きちんとこの気持ちを、「ありがとう」と伝えたい。

そのときに下を向いて会話しなくてもいいように、恥ずかしくない人間を目指さなきゃいけないな。

軽めの感想文、お付き合いいただきありがとうございました。

勢いで書いております。熱が冷めないうちにというか。

前書「天才になりたい」がそもそも良書だった。

元々2006年に出版されていた「天才になりたい (朝日新書)」という本があります。

これに大幅に加筆修正を加えたものが今回の天才はあきらめた (朝日文庫)になります。

だから70%くらいは同じ内容です。ただ、南海キャンディーズとしての歴史が今の方があるので、ここ最近の部分が大幅に加筆されています。

今から読むなら「天才はあきらめた」だけでもよいかと。

著者:山里亮太

山里亮太。1977年生まれ。

南海キャンディーズのツッコミ担当
通称山ちゃん

M-1 2004にて審査員であるラサール石井に、

「彼のツッコミは一つも外さないね」

と評される。

第1章:「何者か」になりたい

天才には無縁であろう退路の誘惑、それに打ち勝ったら天才と同じ道が見える。

それは周りの人から見たら、僕が天才に見えるのかも?

その気持ちがあこがれからくる絶望を止めてくれていた。

ー「天才はあきらめた」

山里さんが芸人を目指してNSCに入るまでの話。

自信貯金というシステムがすでに構築されている。

天才、山里亮太のはじまりについて書かれている。

大学の寮での部屋長の植松さんがとても熱い。

この章最大の見せ場に最大の感動を与えてくれる。

第2章:スタートライン

しかし、それ以外の人はこの世界に向いていないという答えを出すと、その瞬間にそれは「サボる理由」に変化してしまう。

だから必死でその答えを無視するために、逃げるという選択肢なんて思いつかないくらいの努力をしようと思った。

ー「天才はあきらめた」

NSCで芸人として歩み始めた山里さんの姿について書かれている。

キングコングがいかにすごかったかが伝わってくる。

努力をして努力をし続けて「偽りの天才」であり続けることによって自分を保ち続けた姿と、当時の相方M君に対する暴君っぷりが描かれている。

気づいたら上下なんてないはずなのに自分の方が上だと思い込んで振舞ってしまい、無意識に相手への当たりが強くなってしまっているというのはよくあることだと思う。

見栄っ張りは見栄っ張りなりに必死なんだから。

第3章:焦り

そのあるものとは、「MC キングコング」。

僕らはキングコングの下にいるという会社からの通告のように思えた。

ー「天才はあきらめた」

南海キャンディーズの前身、足軽エンペラーから現在の相方であるしずちゃん(山崎静代)に出会うまでの話。

一言でまとめるとクズっぷりがすごいということになりそうだが、

なぜそういう行動をとったのかという面についても語られている。

また、その場に対する最適解を作り上げる様子も。

その場限りで最終的には間違っていたのかもしれないけど、

その時点で必要としていた結果をきちんと得ているところがすごい。

 

ガチンコ時代の戦略についても書かれているし、当時のネタが方程式だったことも明かされている。

第4章:有頂天、そしてどん底

腐るのではなく全てをパワーに変換する。

何か嫌なことがあったらこの「変換」を真っ先に頭に置く。

ー「天才はあきらめた」

南海キャンディーズ結成からM-1グランプリ2005終了時までの話。

この章は少し厚い。

南海キャンディーズを支えてくれた環境、片山マネージャーの登場、新喜劇での失敗についても書かれている。

当時の失敗と成功のすべてが書かれている感じ。

嫉妬がすごい。嫉妬がすごい理由って言うのは、こだわりが強いからなんだろうね。

この章でのふさぎこみ方、落ち方がこれまたすごい。急降下。

終章:泣きたい夜を越えて

答えは知っていた。

僕は完璧に退路を断つことにした。

ー「天才はあきらめた」

2005年、「辞めよう」と決意したところから現在に至るまでの話。

加筆部分が最も多い章。「天才になりたい」以後の最近の話が載っています。

 

この章、ボロボロ泣けます。油断すると泣きます。

ここまでが頭に入っているならこの章読み直すだけで泣ける気がする。

この章ではっきりとしずちゃんとの不仲についても書かれている。

不毛リスナーとしてはこの章の内容は感慨深いものがあります。

解説:ぼくが一番潰したい男のこと

山ちゃんが「天才はあきらめた」なんて言うとぼくは頭に来る。

「俺は天才だ」と言い切ってくれないと浮かばれない。

ー「天才はあきらめた」

オードリーの若林正恭さんによる解説。

解説でこんなに感動したのは初めてかもしれない。

悔しい、絶望、勝てない。そんな言葉が並ぶ。

一番の友人がこんなにまで尊敬しているというのが伝わってくる。

男性にぜひ読んでほしい傑作

見栄を張ったり、嘘をついたり、やらない理由を作ったり。

逃げ道を用意して努力しない理由を作り、自分を守る。

自分をよく見せようとし、そのために相手を攻撃する。

相手を批判することで自分が上に立とうとする。

 

言葉にすると嫌な奴だなとわかっていても、本当にしていませんか?

男女を差別したいわけじゃない。ただこれはきっと、男子特有の、

かっこよく見られたい

という根っこの部分によるものなのかなと。

 

ちなみに上記のこと、私はついついしてしまいがちです。

これを自覚し、対処して結果を出したのが山里亮太です。

きっとあなたも憧れる。そういうかっこよさがあります。

山ちゃんやっぱかっこいいよ

どの山里さんが好きかと言われると、不毛の山里さんが好きです。

たりないふたりの山里さんも好き。

でも、3色ショッピングの時と大きく違うかと言うとそんなに違わない。

それはたぶん彼がそもそも隠していないからだと思う。

 

隠さずにいた結果、その場その場で見える姿が異なっているだけで、

意図的に隠したりしていない分根っこの違いが生まれない。

だから彼を好きだという印象が他の姿を見ても変わらない。

ビジネスで作られた人格ではないのが好感を持てる理由であり、我々と称すると語弊があるかもしれないが、

我々冴えない中途半端な人間にとっての憧れの存在、スター。

それが山里亮太だと、私は思います。

天才はあきらめた (朝日文庫)