てんきた

【てんきた】あえて食事に手をのばす【vol.37】

天界から来ました。

ここ最近お酒の席に参加することが多い。
大学の同期との飲み会もあれば、職場の人、他社の人との飲み会もあった。
飲み会の場で結構もったいないなあと思うのが、大人になればなるほど、平気で食事を残すのだ。
これが非常にもったいない。

食べれる分しか頼むなとは言うけれど、大人な奴らはコースで予約する。
会費制にすると勘定がしやすいからだ。
彼らは食事をしに行くのではなくコミュニケーションをとりにいく。
だから目の前に食事があっても関係なく、お酒があるかどうかだけを気にして会を楽しむ。

私は以前から飲み会が苦手で、大学時代はよく断わっていた。
しかし、そうもいかない飲み会も増えてきたし、全く行きたくない飲み会も減った。
なんとなく一人になりたくないしな。そんな思いで参加する飲み会が増えた。

これがもし、仕事に追われていたりやりたいことが沢山あるなら喜んで断るが、
ここ最近はそういう熱も特にない。
ただなんとなく生きている、ただ生きているだけなので、誘われれば断ることなく参加する。

話を戻すと飲み会ではよく飯が余る。
言葉を選ばずに言うと、金を払ってでも人と話したい世代にとって飯の配分など関係ない。
さらに彼らは食えない。そして若い人にあげることを喜びとすら感じる。

だから私はそういう席ではいの一番に来た食事に手を出し、感想を述べる。
うまい、素材は何だ、温度はどうだ、たれが必要か、違いは何か。
それらをすぐに伝える。

シイタケかと思ったんですが、こちらホタテの天ぷらでした。

そんな話をする。全員分元々用意されているから誰も気分は害さない。
人の話はきちんと聞いている。しかし手を付けない年寄りのことは待てない。
さいあく、彼らは手を付けずに終わることもある。
そういう人の前では必殺、これ美味い、結構好きです作戦を実行する。

これ美味しいです。結構好きです。うわー、これ家で作れるかな?

こんなことを言うと、しゃがれたばばあが大体言ってくれる。

「ほら、あたしのも食べなー?」

「いいんですか?でもほんと美味しいんで食べた方がいいですよ、これ。」

このやりとりでフィニッシュ。ここからの場の流れは3通り。
いいからいいからと私にゆずる女。
どれどれと食べだす女、それを見て私に譲ってくれる爺さん。
譲ってもらったものを食べていると少し離れたところからも「ほら、こっちも食べるかい?」と譲ってくれる。

大勝利だ。この時のポイントはチャーハン等の米類は結構みんな好きだから避けるというところにある。
なにより、これらをもらうと太る。
ねらい目は3つくらい前菜が出た後の揚げ物の後の主菜。
そのころにはみんな大体おなかがいっぱいになる。そして話に花が咲く。

片耳だけそちらに向けながら、主菜以降を食べる。
そして目の前に食べるものが無くなったら飲み会恒例席移動だ。
この時のポイントはあえてグラスを持たずに移動すること。
そうすればそれ以上飲まされることはなく、食事が残っているテーブルの残飯処理ができる。

みんな残したくない気持ちはうっすらながらどこかにある。
そこに貢献してあげようって言うんだから褒められてもいいんじゃなかろうか。

若者諸君に言いたい。箸をつけることを恐れるな。どうせ目の前のやつらは残すぞ。
すぐ手を付けて食いしん坊イメージさえつけてしまえばお得にたっぷりうまいものが食える。
それでいいんだ、若者は。飯の場で遠慮することは無いよ。
飯を食わせてあげることに喜びを感じる世代と一緒に過ごしてんだから。