てんきた

【てんきた】前言撤回します!【vol.63】

天界から来ました。

よくこんな妄想をする。

ちょっと親とうまくいかなかったり、学校で上手く過ごせなかったりした少年と、
低めの階段に腰掛けて二人で話している。
その少年はちょっとマセてて、少しだけ成績が良くて、でもモテなくて、太ってる。
私よりちょっとだけ声が高く、汗っかきの暑がりだ。

周りより頭が回るもんだから、大人の気持ちも子供の気持ちも読み取っちゃって。
周りが求めている丁度いい笑いと心地よさを提供することに徹している少年。
芸能人で言うと、東野幸治のような役割。

その少年が、石を蹴飛ばしたり、物凄い小さい石を拾っては遠くに投げてみたりしている。
目の前にグラウンドがあるんだか、川が見えるのかはわからないが、そんな感じの屋外の階段に私は腰掛けている。

その少年に私はいつも色んな質問をされる。それは、よくある子供の愚痴なのかもしれない。
だれだれちゃんがどうたら、なんて話もしないし、先生や親の話はしない。
「おいちゃんは楽しい?」「おれ、どうしたらいい?」みたいなぼんやりとした人生観をいつも私に聞いてくる。
子供が生意気に「恋ってなんだろうね」とか「自由なほうが不自由だよね」みたいな話もしてくる。

私はこの少年が結構好きで、たまに会いたくなる。
でもこちらから会いたいなと思ってもなかなか出てきてくれない。
私も腰掛けるところも見つからない。妄想なのに、全くコントロールはきかない。
それが彼と私との関係だ。

ただ、私の生活の中で、唯一と言っていいくらい本音で話せる相手でもある。
感情的になりすぎてこっちが泣かされたこともある。
けれども彼は屈しない。彼が正しいと思うことを私に言ってくる。
そこは子供であり、素直に聞き入れない私もまた子供である。

彼に次会ったとき「今のうちに知っておいた方がいいことある?」と聞かれたら、私はこう答えようと思っている。
「使えるようになっておいた方がいい言葉は、『前言撤回』かな。嘘じゃなかったのに気持ちが変わっちゃったときに使える。」って。
退くに退けなくなって嘘つきとおすのは苦しいからね。

 

 

少年、そのままいくとお前は痩せないぞ。そしてずっとモテない。
スポーツをしろ、スポーツを。

そしてね、どうがんばっても死なないんだよ、君は。
本当に自分が大事だと思うことを最優先してごらんなさい。
我慢しなくていい、譲らなくていいから。
君の考えが大体正しいよ。君の選択が大体正しい。

間違った考えに引っ張られるなよ。
他人の考えに引っ張られすぎるなよ。
もっと自信を持っていいからな。

そう言って支えてくれる奴が居ればよかったのにな。
よく頑張ったねって過程を褒めてもらえたらよかったのかもね。
いまさら私が君を支えたところで、どうにも未来は変わらんもんな。